死亡届及び埋火葬並びに埋収蔵に関する書類の動きと関係法規


▽ 閲覧上の注意

このページは「葬儀に関する実務」と「その実務に関する法令」を解説したものです。
ただし、私は法律の専門家ではありませんので、引用や法解釈に誤りがある可能性があります
閲覧の際はその点にご留意いただくとともに、誤りを発見された場合はお知らせいただければ幸いです。

文中の文字色は、以下のように区分しています。
■…見出し ■…実務 ■…法令引用 ■…解説その他

法律名の長いものは、以下のように省略して表示しています。
「墓地、埋葬等に関する法律」→「墓埋法」
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」→「感染症新法」



▽ 用語の定義

葬儀に関わる用語の法律上の定義を簡略に言うと以下のようになります。
・『埋葬』…いわゆる土葬のこと[1]
・『火葬』…火葬のこと[2]
・『改葬』…遺体や遺骨を他の墳墓や納骨堂に移し換えること[3]
・『墳墓』…いわゆる墓のこと[4]
・『墓地』…墳墓を設置するための区域のこと[5]
・『納骨堂』…焼骨を収蔵する施設のこと[6]
・『火葬場』…火葬をするための施設のこと[7]
・『埋蔵』…焼骨を墳墓に納めること[4*]
・『収蔵』…焼骨を納骨堂に納めること[6*]
・『無縁墳墓等』…死亡者の縁故者がいない墳墓や納骨堂のこと[8]


[1]墓埋法 第2条
[2]墓埋法 第2条の2
[3]墓埋法 第2条の3
[4]墓埋法 第2条の4
[5]墓埋法 第2条の5
[6]墓埋法 第2条の6
[7]墓埋法 第2条の7
[8]墓埋法施行規則 第3条
[*]語が用いられているが、定めの記載は無い







▽ 死亡届の提出期限

死亡届の提出は、死亡を知った日から7日以内[1]でかつ埋火葬の前[2]に行う必要があります。

[1]戸籍法 第86条
[2]墓埋法 第5条

[1]の文中にあるように、国外で死亡した場合は例外規定があります。

▽ 死亡届の添付書類

死亡届には、「死亡診断書」ないし「死体検案書」を添付します[1]
[1]戸籍法 第86条の2
例外として、上記書類が得られない場合についての規定があります。

▽ 死亡届の提出義務者

死亡届は、下記に該当する人が届け出なければなりません[1]
また、義務者に順序はありますが、上位の人がいても下位の人が提出することはできます[1]
・同居の親族[1]
・同居していない親族[2]
・同居人[1]
・家主、地主[1]
・土地家屋管理人[1]
・後見人、保佐人、補助人、任意後見人[2]
・公設所の長[3](一般的には上記義務者が全ていない場合)


[1]戸籍法 第87条
[2]戸籍法 第87条の2
[3]戸籍法 第90条

私立病院の病院長などが届け出るときは「家屋管理人」です。
「公設所」とは公立病院や刑務所等のことです。
また法的には順序は関係ないのですが、実務的にはまず親族を探して依頼するところから始まります。

▽ 死亡届の提出先

死亡届の提出先は、以下の3箇所の内いずれかと定められています。
1.死亡者の本籍地[1]
2.届出人の住所地[1]
3.死亡地[2]

[1]戸籍法 第25条
[2]戸籍法 第88条

例外として、「死亡者が外国籍の場合」「死亡地が不明の場合」「船上や汽車その他の交通機関の中で死亡した場合」が別に規定されています。

▽ 死亡届の記載内容

死亡届には、下記の内容を記載します。
1.死亡者について
・氏名[4]
・性別[2]
・生年月日[3]
・出生後三十日以内に死亡したときは、出生の時刻[2]
・死亡日時[1]
・死亡場所[1]
・住所[3]
・世帯主[2]
・本籍と筆頭者氏名[3]
・外国人のときは、国籍[2]
・配偶者の有無など[2]
・世帯の主な仕事[2]
・国勢調査実施時は、職業と産業[2]
2.届出人について
・死亡者との関係[3]
・住所[3]
・本籍と筆頭者氏名[3]
・氏名[3]
・生年月日[3]


[1]戸籍法 第86条の2
[2]戸籍法施行規則 第58条
[3]戸籍法 第29条
[4]戸籍法 第35条

▽ 印鑑

届出人氏名欄に本人の署名があれば、印鑑がなくても受理されます[1]

[1]戸籍法施行規則 第62条



▽ 火葬の許可と「火葬許可証」

火葬は、死亡届を提出した市区町村の長から許可を受け[1]、発行される「火葬許可証」[2]を受理し、それを火葬場の管理者に提出した後でなければできません[3]

[1]墓埋法 第5条
[2]墓埋法 第8条
[3]墓埋法 第14条の3

なお、「火葬許可」と「火葬場使用許可」は別のことですので、死亡届を提出する地と火葬する地が違う場合は、前者の役所で火葬許可を受けた後、後者の火葬場管理者より火葬場使用許可を受ける必要があります。

▽ 火葬のできる場所

火葬は、許可を受けて運営されている火葬場でしかできません[1]

[1]墓埋法 第4条の2

▽ 火葬の制限

火葬は、原則として死亡後24時間を経過しないとできません[1]
ただし、特定の感染症に冒されている(あるいはその疑いのある)場合は、24時間を経過しなくても火葬できます[2]


[1]墓埋法 第3条
[2]感染症新法 第30条の3

「特定の感染症」には、ペストやコレラなどだけでなく、新型インフルエンザなども含まれます。

▽ 火葬証明

火葬した後は、火葬許可証に火葬証明事項が記載されて返却されます[1]

[1]墓埋法 第16条の2 及び 墓埋法施行規則 第8条

▽ 焼骨の埋蔵と収蔵

焼骨(火葬した後の骨)を墓に納めるのは、墳墓に埋蔵する場合[1]も納骨堂に収蔵する場合[2]も火葬証明事項が記載された[3]火葬許可証を当該施設の管理者に提出した後でなければできません。

[1]墓埋法 第14条
[2]墓埋法 第14条の2
[3]実務解釈

▽ 分骨

焼骨を複数の場所に埋収蔵する場合は、上記によって焼骨を納めた墓の管理者[1]あるいは火葬した火葬場[2]から「分骨証明書」を交付してもらい、それを分骨先の墓の管理者に提出しなければなりません[3]

[1]墓埋法施行規則 第5条
[2]墓埋法施行規則 第5条の3
[3]実務解釈(※)

※ このことについては法律には記載されておらず、むしろ前述の埋収蔵の規定からすれば違反しているのですが、実務上は火葬許可証と同等の効力を有しているものとして扱われています。


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