プロテスタント教会葬儀司会例


▽ はじめに

 今回は若手伝道師などが初めての葬儀司会を担うことになっても慌てないように、簡単に葬儀司会の文言例を示します。もちろんそれぞれの教会の事情によって内容は調整しなければなりませんが、基本的なポイントを押さえるために参考にしてください。
 葬儀の様式は日常の礼拝と大きくは変わりませんが、遺族はじめ参列者がノンクリスチャンであったり、その教会の礼拝様式に慣れていない人々であるということが往々にしてあります。そのため参列者全員が新来会者であるかのような丁寧な対応が望まれます。
 場合によっては今後教職の高齢化が進む中で信徒が司会をして牧師の負担を軽減するなどの必要が起こることも考えられますので、何かの役に立てば幸いです。

 なお下の例の式順は「日本基督教団 式文 (試用版)」の「葬式B」を参考にしていますが、聖書朗読の後の讃美歌は省いています。

▽ アナウンス例

開式前
「ただいま開式15分前です。お手洗いの用などがあるかたは今のうちにお済ませください。準備のよろしいかたは式場内の椅子にお掛けいただき静かにお待ちください。携帯電話などをお持ちのかたは、葬儀のあいだ音が出ないようにしてください」
 開式前の黙想曲など〜

開式
「定刻となりましたので、ただいまより故○○○○兄の葬儀を行います。初めにオルガンの奏楽に耳を傾けながら、心静かに黙祷しましょう」
 前奏〜

招詞
「まねきのことば」
 聖句〜

讃美歌
「ご一緒に讃美歌の○○番を歌いましょう。歌詞はお手元の式次第にあります。お差し支えのないかたはご起立ください」
 讃美歌〜
「ご着席ください」

祈祷
「祈ります。皆様も祈りを合わせてくだされば幸いです」
 祈り〜

聖書
「聖書のことばをお聞きください。○○書○○章○○節から○○節」
 聖句〜

説教
「当教会牧師の○○が説教をいたしますのでお聞きください」
 説教〜
 祈祷〜

讃美歌
「ご一緒に讃美歌の○○番を歌いましょう。お差し支えのない方はご起立ください」
 讃美歌〜
「ご着席ください」

弔辞
「友人を代表して○○○○様より故人の思い出を語っていただきます」
 弔辞〜
「ありがとうございました」

弔電
「皆様よりいただいた弔電の一部をご紹介いたします」
 弔電(本文、送り主)〜
「このほかにもたくさんいただいております。ありがとうございました」

頌栄
「ご一緒に頌栄の○○番を歌いましょう。お差し支えのない方はご起立ください」
 頌栄〜

祝祷
「牧師が祝福の祈りをいたします」
 祝祷〜
 後奏〜
「ご着席ください」

遺族代表挨拶
「ご遺族を代表して喪主の○○○○様より、ご会葬の皆様に挨拶をしていただきます」
 挨拶〜

献花
「これより皆様に告別の献花をしていただきます。前列にお座りの方より順次、中央の通路をお進みいただき、お花を献げた後は左右の窓際通路よりお下がりください」
 献花〜

出棺前
「出棺前に皆で棺に花を入れましょう」
 棺に花を入れる〜
「ふたを閉めます」
 閉棺〜
「親しい人々の手で棺を霊柩車まで運びましょう。お手伝いいただけるかたは棺の周りにお集まりください」
 乗棺〜
「それでは火葬場に向けて出発しましょう」
 出棺〜

▽ 文言選択のポイント

・ 丁寧に
  敬語を適当に使う(あまりくどくしない)
  指示は省かない (起立、着席など)

・ 簡潔に
  冗長な言い回しをしない
  わかりきっていることは省く(2曲目以降の讃美歌歌詞のことなど)

・ わかりやすく
  一文を長くしすぎない
  ノンクリスチャンや葬儀になれていない人にもわかるように用語を選ぶ

・ 想いややりかたを強制しない
  「お差し支えのないかたは」といった文言で配慮するなど

▽ 細かいポイント

◇ 対象との関係によって敬称を変える
 当教会牧師の○○が
 友人を代表して○○○○様より
 ご遺族を代表して喪主の○○○○様より

 上記の例では司会者と説教者が分かれています。この場合、司会者は「教会サイド」にいますから、牧師については上司であっても「牧師(職名)○○」とするのが日本社会的な感覚です。
 そのほか友人は教会サイドの人ではないので「○○様」、教会員代表の場合は「教会員を代表して○○兄」でよいでしょう。遺族は教会員であろうとなかろうと「様」付けで呼ぶのが妥当です。
 なお「様」をすべて「さん」に変えてもおかしくはありませんが、一般参列者の中には馴染みが薄く軽い印象を受ける人があるかもしれません。

◇ 身振り手振りを加える、対象者に視線を配る
 進路を指示する時は進み方に沿った手振りを加える
 献花を受け取る場所や献げるテーブルの位置などを手で示す
 「親族の皆様は」と指示する間は親族に視線を配り、「ご会葬の皆様は」と指示する間は会葬者に視線を配るなどする 目が合うとなお良く聞いてくれる

◇ 指示は短くはっきりと
 特に葬儀では参列者は気持ちがいっぱいで、司会者からの指示を集中して聞けないことが多くあります。指示は短く、はっきりわかりやすい言葉で、また一度に多くの事柄を詰め込まずその都度行うようにしましょう。
 また言葉による指示だけではなく、可能な限り実際の行動時にもスタッフがそばについて誘導するなど、具体的なフォローを考えておく方が良いでしょう。

▽ そのほかの補足

 現代では教会葬儀でも葬儀社を利用することがほとんどですので、開式前や弔辞弔電、献花以降などについては葬儀社のスタッフに任せてしまってもよいでしょう。彼らの準備の都合もあるので、そのほうがスムーズな場合も少なくありません。
 献花の際の誘導などを葬儀社が担う場合には、アナウンスの中に「係の誘導(案内)に従って」と入れておくと参列者の不安も少しは軽減されるでしょう。


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