word : 葬式の様態 [そうしきのようたい]
subword : 骨葬[こつそう]/家族葬[かぞくそう]/密葬[みっそう]/本葬[ほんそう]/直葬[ちょくそう]/無宗教葬[むしゅうきょうそう]/自由葬[じゆうそう]/音楽葬[おんがくそう]/ビューイング[viewing]/一般葬[いっぱんそう]
【骨葬】とは、遺体ではなく遺骨を置いて葬式をすること。亡くなるとまず遺族だけで納棺・火葬・骨揚げし、その後式場で葬式をすることになる。阪神間ではあまりないが、地域によってはこちらの方が一般的なこともある。
葬式の日程の都合を付けやすく、出棺時間に追われない、また遺体の腐敗の進行を気にしなくてよいなどの利点があるが、一般会葬者が故人の顔を最後に見たいという希望に答えられないという欠点もある。亡くなった場所と葬式をする場所が離れている場合などに、搬送の利便性・経済性から選択される場合も多い。
【家族葬】とは、近年('90年代)造られた語で、一般には遺族のみで行う葬式を指す。しかし明確には定着しておらず、その多くは「密葬」「地味葬」などと混同される。
葬式の大型化に対する反発などから近年注目されることが多いが、葬儀社の広告語としての色が強く感じられる。
【密葬】とは、社葬・団体葬などを営む際、その前に遺族で内々に葬式をすること、またその式のこと。
近年はいわゆる「家族葬」「直葬」「地味葬」などの語と混同されることも多い。密葬の「密」は秘密の密であると解説されていることが多いが、私は例を挙げるなら「親密」の密の方が意味合いとして近いのではないかと思う。
【本葬】とは、「密葬」の後に営まれる、一般会葬者に公開された葬式のこと。
しかし近年の前日式(仏式では通夜の式)の一般葬化に伴い、当日式のことを本葬と呼ぶ人も時々いる。
【直葬】とは、多くなされている解釈は、葬式を持たず火葬のみすること。英語の「direct cremation」の直訳と思っていたが、個別に発生したものが似たような呼び方をされているだけのようだ。
いわゆる「家族葬」や「地味葬」などと混同されることも多い。葬儀社の広告語のひとつという色が強く、語としては不要感が(私は)ある。
【無宗教葬】とは、宗教に、あるいは宗教者に拠らない葬儀のこと。宗教儀礼がないため、一定のスタイルをとる必要がないことから【自由葬】とも言う。
具体的には、葬式に於いて故人の好きであった曲を流したり(これを中核にするものを特に【音楽葬】とも言う)、弔辞やスライドショウ、ムービーなどで故人の思い出を綴るなどの実例がある。「宗教者に拠らない」としたのは、宗教儀礼を排しても焼香などをするケースが多いため。
グリーフワークへの影響としては、故人や遺族の希望に沿った葬儀ができると評価する意見がある反面、魂の行く末などの疑問に答えることができず受容を遅らせることがあるという批判も強い。
【ビューイング】とは、故人と対面してお別れすること。顔を見る(view)ことからビューイングと呼ばれる。
米国などでは葬式の前夜に行われることが一般的で、遺族や弔問者は会堂に自由に出入りしてそれぞれに故人との別れを惜しむ。日本における前夜式と違い、時間やプログラムで遺族を拘束しないので、より各々のペースに合ったグリーフワークが期待できる。日本の実情にあったより良い形で(私は)導入していきたいと思う。
→関連項目 私家辞書(用語再定義)
→関連項目 ビューイング
【一般葬】とは、拡大する葬式の様態を受けて逆に「旧来の葬式のスタイル」を指すために便宜的に用いられる語。しかし、何をもって「旧来のスタイル」と言えるかは明確ではないため、単に「特殊なカラーを持たない葬式」という意味合いで比較語としてのみ用いられることも少なくない。
▽ 注釈・参考資料等
< 注釈 >
< 参考資料 >
△ to pagetop . △ to dictionary-index .