word : 葬儀社 [そうぎしゃ]
subword : 葬儀屋[そうぎや]葬祭業[そうさいぎょう]葬儀業[そうぎぎょう]葬儀業界[そうぎぎょうかい]葬儀士[そうぎし]フューネラルディレクター[funeral director]葬祭士[そうさいし]葬祭ディレクター[そうさいdirector]納棺士[のうかんし]献茶[けんちゃ]セレモニーレディー[ceremony lady]
 【葬儀社】とは、「葬祭業(葬儀業)」を主業務とする企業のこと。一般的には【葬儀屋】とも言う。

 【葬祭業】とは、葬式の物理的社会的な運営や、葬儀に関するさまざまなサービスを遺族に提供する職業のこと。あえて「物理的社会的な」と書いたのは、キリスト教葬儀においては葬式は本質的に礼拝であって葬祭業者の商品ではないため。
 また近年、遺族のグリーフケアの一部も業務の一環として社会から要求される傾向にあるなど、業務の幅が広がっている。
 なお「葬祭業」は主に葬式の運営をする業を指して言うが、広くは香典返しを扱うギフト会社や墓石販売を行う会社なども含んで言う。狭義の葬祭業を、言葉に厳しい人は特に【葬儀業】と言うこともある。関連して「葬儀業界」と言うのに「葬祭業界」とは言わない(理由は知らない)。

 【葬儀業界】とは、葬儀社とそれを支えるさまざまな業種の会社の全体を指す語。
 葬儀に関する需要は多岐に渡るため、葬儀業界と一口に言っても実にさまざまな業種がある。そのため葬儀以外でも葬儀社をネットワークの窓口として使うと便利なこともある。
 近年、他のさまざまな業種からの新規参入も多く、また社会からのニーズの多様化により企業の様態も多様化する傾向にあることから、当面の間混乱も予想される。

 【葬儀士】とは、私(筆者)の職業を表す名称。現在の葬儀業者を表現するならば実情に合う妥当な表現だと私は思うのだが、残念ながら通用語ではない。どちらかというと【葬祭士】と呼ばれる方がまだ多いが、これも通用語というほどではない。
 英語では【フューネラルディレクター】と言い、これを訳したものなのだが、なぜか日本では「葬祭ディレクター」という中途半端な呼称が資格名にもなった。
 なお、総務省統計局の職業区分では葬儀「師」となっているが、そんな大層なものではなかろう。

 【葬祭ディレクター】とは、厚生労働省認可の業界資格の一。葬祭業関連の知識・技能などを認定する資格だが、米国などの葬儀業免許と違い持っていなくても日本では葬儀業を営める。
 試験内容は筆記(関連法規や宗教知識など)と実技(幕張り・司会・質疑応答)からなる。ただし仏教葬儀が圧倒的多数を占める日本の事情を反映して出題傾向は仏教葬儀寄りなため、キリスト教葬儀を行う上ではほとんど役に立たない。実技も幕張りや司会などキリスト教葬儀ではほぼ使わない上、現在では既製品や専門職があるものを導入する意図が不明である。どうせなら関連法規や遺体学、宗教知識や慣習との関連、グリーフケアなどの問題を中心にすべきと思う。

 【納棺士】とは、納棺を職業として専門的にする人のこと。
 近年「おくりびと」という映画が流行り、有名になった語(作中では納棺「師」)。ただし納棺士という職業が単独で成り立つかどうかは地域性や葬儀事情によると思う。少なくとも私からすると職業名ではなく会社の中での役割であり、私の社で納棺士といえば私のことのようだ。

 【献茶】とは、関西では葬儀の式場でご遺族の接待や会葬者の案内、式場の清掃等をする女性スタッフのことを指す業界用語。元々「献茶婦」と呼んでいたようだが、婦が省略されたらしい。
 関東では【セレモニーレディー】等の名称で呼ばれるらしく、「献茶」という語は「祭壇にお茶を献げること」を指すようだ。

▽ 注釈・参考資料等

< 注釈 >

< 参考資料 >


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