word : 葬法 [そうほう]
subword : 葬制[そうせい]土葬[どそう]火葬[かそう]水葬[すいそう]風葬[ふうそう]鳥葬[ちょうそう]宇宙葬[うちゅうそう]
 【葬法】とは、遺体の処理を伴う葬送の具体的な方法のこと。また、ある集団の中で制度として確立した葬法を【葬制】という。
 多くは「〜葬」という言葉で表されるが、「〜葬」という言葉がすべて葬法を指しているわけではない。例えば「直葬」「家族葬」「無宗教葬」「自由葬」「音楽葬」などは葬式のスタイルの別であって、それ自体が遺体の処理の様態を示しているわけではない。また「樹木葬」や散骨の場所を冠した「山岳葬」「海洋葬」などは通常、墓制の文脈で用いられる語である。

 【土葬】とは、遺体を土中に埋めて葬ること。法律上は「埋葬」という。現在でも法律上禁止されているわけではないが、自治体条例や墓地の使用規則で制限されていることも多く、伝統的に土葬を継続している地域を除いては実施は非常に困難である。

 【火葬】とは、遺体を焼いて葬ること。現在日本においては衛生面や墓地の事情からもっともポピュラーな葬法であり、2009年時点の火葬率は99.9%に達している。なお米国でも近年火葬率が急激に伸び、すでに40%にも達しているらしい。

 【水葬】とは、遺体を川や海に流して葬ること。現在の日本においては特例的な葬法であり、『船員法』で実施の具体的な条件が示されている。

 【風葬】とは、遺体を荒野などに置き去って葬ること。概ね鳥獣に喰われた後時間をかけて風化するにまかせる。モンゴルなどで見られる葬法だが、日本においても古代一般的だった時期もある。その様態から学術上「遺棄葬」などと呼ばれることもある。また、沖縄の一部で見られる、亀甲墓の中に遺体を安置して数年間に渡り屍肉が落ちるのを待つ葬法も、風葬の一種とみなされることがある。

 【鳥葬】とは、専用の塔や崖の張り出しなどに遺体を置き、猛禽(ハゲタカなど)に喰わせて葬ること。チベットなどで見られる葬法で、鳥が死者の魂を天に送り届けるという信心に基づくようだ。

 【宇宙葬】とは、遺体をカプセルなどに入れて宇宙空間に放つ葬法。SFではよくあるが、現在では例外的には可能性があるとはいえ、まだ制度として確立しているとはいえない。

 また世界ではこれらのほか、ミイラにしたり冷凍して遺体を保存する葬法や、近年では遺体を化学薬品で溶かしたり、フリーズドライにして薬品溶解を効率よくする葬法なども研究されている。

▽ 注釈・参考資料等

< 注釈 >

< 参考資料 >


△ to pagetop . △ to dictionary-index .