word : 葬式 [そうしき]
subword : 葬儀式[そうぎしき]告別式[こくべつしき]葬儀告別式[そうぎこくべつしき]葬送式[そうそうしき]前夜式[ぜんやしき]棺前祈祷会[かんぜんきとうかい]枕頭の祈り[ちんとうのいのり]枕辺の祈り[まくらべのいのり]納棺式[のうかんしき]納棺[のうかん]出棺式[しゅっかんしき]火葬前式[かそうぜんしき]埋葬式[まいそうしき]埋骨式[まいこつしき]納骨式[のうこつしき]記念会[きねんかい]
 【葬式】とは、死者を葬送するにあたり持たれる式典のこと。葬送にかかる一連の式典すべてを包括的に指す事もあれば、その中の最も中心とされる特定の式典を指すこともある。この最も中心とされる式典は「葬式」のほか、プロテスタント教会では次のような名称も用いられる。

・【葬儀式】
 葬式の中心的意義は葬送儀礼や宗教儀礼を行うことにあるという理解に基づく名称といえる。
・【告別式】
 昭和中期以降、遺された者が故人に別れを告げる場としての葬式が重要視される傾向にあり、現在では一般的な名称として広く使われる。しかし、キリスト教における再会の希望を重視して「別れを告げる」という表現を避けたり、キリスト教葬儀が礼拝であることを重視して「葬儀式」を選択するなど、この名称を使用しない教派・教会・教職も少なくない。
・【葬儀告別式】
 本来この最も中心となる式典が「葬儀(式)」と「告別(式)」の連続したものであるという理解による。この場合、「葬儀式」は宗教儀礼(キリスト教においては礼拝)を中心とした式典を指し、「告別式」は宗教儀礼以外(弔辞・弔電披露・遺族挨拶・献花など)を中心とした式典を指す。
・【葬送式】
 よくある名称のようにも思えるが、実感としてはこの表現を用いる教会は少ない(けれど私の所属教会はこれだ)。

 なお、正教会では「埋葬式」という名称を用いる。
 ちなみに「葬式」を単に「式」と言うこともあるが、日常で突然「式」と言うとおおよその人は結婚式を想像するようだ。もっとも私が「式」と言った場合は九分九厘葬式のことであるが、そんなことは全くの余談である。

 葬式の前夜に式典を持つ場合、プロテスタント教会では【前夜式】や【棺前祈祷会】などの名称を用いられることが多い。式典を教会でする場合には「前夜式」、自宅などでする場合には「棺前祈祷会」や「前夜祈祷会」などと呼び替える教会もある。なお遺体が棺に納められていなくても「棺前祈祷会」という名称を用いることもある。

 【枕頭の祈り】とは、臨終に際し(現実的には亡くなった後が多い)死者の枕元でささげられる祈りのこと。【枕辺の祈り】とも言う。
 普通これだけを指して「葬式」とは言わないが、一連の葬儀の中の一部分として理解される。
 近年はほとんどの人が病院で亡くなるので病室や霊安室で行われることも多いが、大部屋などでは病院の許可が得られない場合もあるので確認が必要。

 【納棺式】とは、【納棺】(遺体を棺に納めること)に際して持たれる式典のこと。

 【出棺式】とは、棺を式場から墓地や火葬場に向けて出発する際や、自宅から式場に向けて出発する際などに持たれる式典のこと。
 ただし現在では時間の都合などから、火葬場への出棺に際して出棺式が持たれることはあまり多くない。

 【火葬前式】とは、火葬に際して持たれる式典のこと。「火葬式」などと呼ばれることもある。内容は主に聖書朗読・讃美歌・祈祷で、短めに行われる。献花が行われる場合もあるが、火葬場の時間の都合があるので注意が必要。

 【埋葬式】【埋骨式】【納骨式】とは、墳墓へ遺体を埋葬(土葬)または遺骨を埋蔵、あるいは納骨堂に遺骨を収蔵する際に持たれる式典のこと。

 【記念会】とは、葬式からある程度の期間を置いた後に持たれる追悼の会のこと。教会で記念礼拝として行われることもあれば、自宅等で祈祷会として行われることもある。遺族が集合する都合を考え、埋骨を同日に行うことも多い。多くは50日や1年の記念に行われるが、仏教の法要のような規則的な時期はない。なお日本基督教団出版局の「信徒必携 改訂新版」には「一週間あるいは10日目…」等とあるが、これは仏教葬の「初七日」や神道葬の「十日祭」などを意識したものであろう。また会食などを伴うことが多い。
 余談として、日本では「記念」というと「おめでたいこと」を指すものだと捉えている人が多いようだが、別にそうとは限らない。

▽ 注釈・参考資料等

< 注釈 >

< 参考資料 >


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