CCFI・葬儀なんでも質問箱 > あなたが中心となって葬儀を営むとき
質問
現在、親が重篤な状態にあって入院中です。もしもの時の為、最低限何を用意しておけばよいでしょうか?
回答
お葬式にあたり「どこへ連れて帰るのか」「誰に依頼するのか」「どこで行うのか」を検討することです。

 一般的に病院や各種施設でお亡くなりになられると、医師による死亡確認とスタッフによる死後処置が行われます。これと並行して、病院や施設側から遺族に対して、亡くなられた方を連れて帰っていただく手配をするよう要請されます(一般的に、亡くなられた方の搬送は葬儀社が請け負います)。病院や施設の対応に差はありますが、多くの場合は死後処置が完了次第、出来るだけ早急にご遺体を搬送するよう指示されるようです。この際、亡くなられた方を連れて帰る先がはっきりしていないとご遺族は慌てることとなります。ご自宅へ連れて帰られることが可能であれば大きな問題は無いのですが、お住まいの住宅事情などにより「自宅への搬送・安置は難しい」というケースも散見されます。この場合、お葬式を行う式場(所属教会や葬儀会館)へ直接搬送するという方法があります。
 ここで、お葬式を「どこで行うのか」という問題が絡んできます。多くのクリスチャンの皆様は、亡くなられた方(或いはご遺族)が所属する教会でのお葬式を希望されるようですが、もしもそうであれば早急に所属教会にご連絡をいただき、教会側の指示を仰ぐことが不可欠となります。
 一方で「どこの業者に搬送の依頼をするのか」という問題もでてきます。搬送を依頼する業者が決まっていない場合、病院や施設から業者を紹介していただけることもあります。しかしこの手段をとった場合、そのまま搬送してくれた業者にお葬式も依頼する流れになりがちです。実際には、搬送を請け負った業者にお葬式も依頼しなければならないということは全くありません。しかし遺族の心情として(わざわざ搬送に来てくれたのだからお葬式もそのまま同じ業者に依頼した方が良いのでは)といった思いから、そのまま搬送業者にお葬式も依頼せざるを得ないような雰囲気に呑まれてしまうこともあります。

 以上のようなことから、具体的に次のような準備をされることをお勧めいたします。

@ まずは事前に所属教会へ打診して、牧師や司祭と打ち合わせをしておく。特に亡くなられた方を直接教会へ連れて帰られたいのであれば、その指示も仰いでおく。
A お葬式を依頼したい葬儀社があれば、事前の打ち合わせの際、所属教会の牧師や司祭に伝えておく。また特に決まった葬儀社が無い場合は、牧師や司祭から信頼できる葬儀社を紹介してもらい、遺体の搬送からその葬儀社に依頼できるよう、連絡先などを聞いておく。

 このように、所属教会の牧師や司祭と事前に打ち合わせをしておかれることで「どこへ連れて帰るのか」「誰に依頼するのか」「どこで行うのか」がある程度明確になってくるのではないかと思われます。

 また一方で、私はあとふたつの準備をお勧めしております。
 ひとつは「ご本人の遺影写真を作るための原版を用意すること」と、もうひとつは「病院や施設に、ご本人の好きな衣服を一揃え用意しておくこと」です。
 お葬式の規模や形態の如何を問わず、一般的にご本人の遺影写真は不可欠といえるでしょう。ご本人がお亡くなりになってから遺影写真の原版を探すのは、なかなか手間なことです。事前に用意しておくことで慌てる必要がありません。ネガフィルムである必要はなく、プリントしたものでも、いわゆる写真のデータでも問題ありません。また「ご本人の衣服」についてですが、特に遺族からの指定が無い場合、亡くなられた方の死後処置の後にお着せする衣服は、病院や施設が用意する「浴衣」のようなものになりがちです。予めご本人に相応しいと思われる衣服を病室などに用意しておいて「もしもの際にはこの衣服を着せてやって欲しい」と施設のスタッフに事前に依頼しておかれることで、あとであらためてお着替えをする必要もなくなります(葬儀社によっては故人の衣服着替えが有償となる場合があります)。
[ 回答者:岡田守生 ] 2016/10/20
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実務者・研究者への補足
 特にありません。