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質問
「最低限の葬儀費用」って、現実的にはいくらぐらいでしょう?
回答
なにを最低限と考えるかにもよりますが、葬祭扶助のおよそ20万円強という数字が参考になるでしょう。

 このところ、長引く景気の低迷や、高齢化による医療・介護費などの負担増によって、葬儀にかけられるお金はいやがおうにも減ってきています。実際に、私たち葬儀社へのお問い合わせも「最低いくらからですか?」というものが少なくありません。
 そのような中で、チラシに極端な低価格を打ち出す葬儀社も出てきていますが、現実に必要最低限のものが価格に含まれていなかったり、ことさらサービスの質が低かったり、低価格を試してはみたものの事業が継続できなかったりというトラブルも生じています。

 それでは、必要最低限の葬儀費用は、現実的にはいくらぐらいなのでしょうか?
 この参考となるものに、生活保護制度に含まれる「葬祭扶助」という制度があります。生活保護は、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるように、経済的困窮状態にある人たちを支える制度です。生活の中では、葬祭も文化的・社会的に健全に営まれることが望まれていますから、誰もが最低限の葬祭を行うことができ、また受けることのできる制度が整えられているのです。
 この葬祭扶助制度によって行政から支出される費用の額は、地域や火葬場の料金規定、それぞれの葬祭の事情によって若干異なりますが、おおよそ20万円から25万円の範囲です。現実的にはこれが最低限の葬祭費用の目安だといえるでしょう。

 つまり、これだけの支出が可能な場合は最低限の葬儀を行うことができますし、支出が不可能な場合は行政の支援を受けることが可能だということになります。
 もちろん、必ずしも行政の支援を受けなくても、お香典など周囲の人々の支えによって葬儀を行うことができるならばそれに越したことはありませんね。
[ 回答者:高見晴彦 ] 2014/01/25
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実務者・研究者への補足
 葬祭扶助制度に関する参考資料 : 葬祭扶助制度解説 (高見晴彦)